凍、闘、塔、The Tower

最近読んで、感動した本。
最近と言っても去年だけど…。

沢木耕太郎さんの
「凍」

最強のクライマーと言われる
山野井泰史さんと奥さんである妙子さんの
ヒマラヤの壮絶な登山物語だ。

もちろんフィクション。
沢木さんが丁寧にインタビューして
書いた作品。

足の指がなくなっても
登山を続けたい。

という気持ちは
私には到底理解できないが、

ご夫婦の絆、
絶対に諦めない強い心に
心を打たれた。

生と死の狭間で、
山野井さんが奥さんに言った言葉。

「死ぬ人は諦めて死ぬのだ。
俺たちは決して諦めない。
だから、絶対に死なない。」

なんて強靭な精神力なんだろうと思った。

その強い気持ちと意志力が
彼らを救ったのだと確信し、涙が溢れた。

山野井さんの生まれを拝見すると、
 本命星:八白土星、乙巳
 月命星:九紫火星、庚辰
 日命星:三碧木星、乙巳
 巽宮傾斜
 同会:七赤金星

諦めない人。粘り強い。
すごく高い目標へ向かって、
ひたすらストイックに進んだのだろう。

人に何かをやってもらうのは
苦手かもしれない。

決断力があって直感も鋭い。
切り替えも早く、後に引きずらない。
内に秘めた情熱もあり、
それでいて、朗らかで周りには優しい。

損をしても気にせず
やりたいことをやる人。

八白土星は「山」の象意があるので、
まさに登山で自分を元気にさせていたのかもしれない。

運に乗ってるなぁ。
と感心する。

そして奥さんの
不思議な体験も書かれていた。

奥さんが高山病のせいか、
目が見えなくなりつつも
全精力を振り絞って、
数歩進んでは
でも、しんどくて動けなくて休む。

そんな、亀のようにやっとの事で
雪山を進んでいる時、
背後で付き添うように
従ってくれる人の幻影を見る。

現実に知っている人だったが、
そんな親しくもない。

無事下山できてから知ったのは、
実際にその人が
救援に向かおうとしていたということ。

人の思念というものは、
確かに通じ合い、
力となって相手に影響を与えるのだ。

と感動した。

人は極限状態になると、
幻影を見る。
と、聞いたことがあった。

特に高度のある登山は、
一種のトランス状態になりやすいと。

死ぬか生きるかの極限状態だからこそ
不思議な神秘的な
経験ができたのかもしれない。

でも、この下界でも
同じように人の想いは動き、
相手に届いているのだと思う。

そしてそれが、占いの
「卜占術(ぼくせんじゅつ)」でも
結果として現れるのだと思っている。

要は、山野井さんの奥さんが見た幻影が、
タロットや易で現れる結果なのではないか。

沢木さんは、
「凍」を「闘」にかけてタイトルにつけた。
凍った山での死闘。

私は、タロットカードの「塔(タワー)」に
かけようと思う。

絶壁から山野井夫婦が
滑落し、真っ逆さまに落ちた光景が
カードの絵とそっくりだし!

ということで、
冒頭の写真はタロットカードの大アルカナ16番
「The Tower:塔」

実は、このタワーのカード
落ちていって、死ぬんじゃないと思いきや、
魔法のように着地するという逸話がある。

しかも絵にある二人は
男女である。

それも山野井夫婦の
滑落からの快進撃に
そっくり…。

このカードのように
突然の破壊の中から、
創造と再生をお二人は手に入れたのだと思う。

今日も最後まで読んでくださり
ありがとうございました!

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